無題

英語の授業を受けている時、教室にはいない彼のことをひたすら考えていた。 そこにはいない人の生活を考えるのが好きだ。 今日は何を食べて、何を着て、何の本を読んでいるのか。頭の中で別人の彼を勝手に作る、なんとも愚かで惨めな楽しい行為だ。 帰りに美…

無題

「色白で家から出なそう、運動もしなさそうなのに。意外。」 と笑われるけれど、私は四季の中で一番夏が好きだ。 夏の空気は1日の間で気まぐれに変わる。 少し湿気た、べたついた暑さの朝。 カラッと太陽が笑い、蝉も踊る、昼。 少し肌寒く、せつない夕方。 …

無題

「愛は妬まず、誇らず、驕らず、」 聖書にそう書かれていたのを思い出した。 神様から見たわたしの気持ちは、きっと愛ではないんだと思った。 言葉は陳腐だ。 「好き」なんて言葉を言われ慣れている、貴方に何と言ったら喜んでもらえたのだろうか。 でも、「…

無題

今日は朝から大雨で、放課後はわざわざ友達に会うという約束を取り付けたにもかかわらず、私は朝から苛立っていた。 湿気で髪の毛はまとまらないし、化粧もなぜか上手くいかなくて、ギリギリで飛び乗った電車も雨の影響で遅延した。 電車に揺られながら、全…

無題

朝とも夜とも言い難いこの3時4時の間の1時間は、街も家もインターネットも静かで、ただ時間の波が通り過ぎるのを感じられる、とてもいい時間だ。 2ヶ月ぶりに、貴方の声を聞いた。 スピーカー越しのスピーカー越し、なんともややこしいけれど、少しくぐもっ…

無題

自分が女の子である自信を失くした時、私はいつも自分をたっぷりと甘やかしてやることにしている。 昨日は鏡に映る自分の醜さに朝から号泣してしまったから、夜は風呂場で化粧品ブランドの試供品の特別なトリートメントをした。 風が吹くたび甘い女の子みた…