無題

 

朝とも夜とも言い難いこの3時4時の間の1時間は、街も家もインターネットも静かで、ただ時間の波が通り過ぎるのを感じられる、とてもいい時間だ。

 

2ヶ月ぶりに、貴方の声を聞いた。

スピーカー越しのスピーカー越し、なんともややこしいけれど、少しくぐもった声が懐かしくて、今すぐにでもあなたに会いに電車に飛び乗りたかった。

 

短気だった貴方が、突然電話がかかって来ても全く怒らなくなっていた。貴方が「いいよ」と褒めてくれた黒の襟のついたワンピースも、久々に袖を通すと丈が短くなっていてそこには違和感しかなかった。

 

時間はずっと川のように流れていく。絶対に待ってはくれないし、過去には縋れない。岩にしがみついたところでたかが知れている。だから焦らないで、流れに身を任せてゆらゆらと浮かぶことはきっと、ずっと迷って行ったり来たりしている、この迷路の近道なのかもしれない。